資金手当ての為のツール

人道危機にあたって国連やNGO等の人道支援機関はOCHAが管理する運用基金(pooled funds)を活用することができます。この中には、中央緊急対応基金(Central Emergency Response Fund: CERF)、共同人道基金(Common Humanitarian Funds: CHF)、緊急対応基金 (Emergency Response Funds: ERF )の3種類が含まれます。こうした基金は例えば、自然災害の直後の食糧・水・仮設住居の支援に充てられるほか、難民キャンプに住む子供たちのための医療や栄養支援、あるいは「忘れられた危機」と呼ばれるようなメディア等の注目が集まりにくい状況におかれている人々の生活を支える目的で活用されます。こうした基金は国連加盟国や民間ドナーからの自発的拠出によって支えられています。

このうちCERFはグローバルな基金でOCHAニューヨーク本部に事務局があります。CERFは各国の国連常駐もしくは人道調整官が申請することができ、国連人道機関およびIOM(国際移住機構)による事業を対象としたもので、これを緊急援助調整官があらかじめ定めれらた基準に基づき可能な限り速やかに承認し資金が提供されます。日本政府はOCHAだけでなくCERFにとっても重要なドナーです。
 
他方、ERFやCHFは国毎に設置されているものでNGOが直接アクセスできます。(詳しくはこちら>>)資金手当てにあたり各分野ごとの優先順位付けは被災国現地の人道カントリーチームが行います。またこうした優先順位や支援計画は、統一アピール(Consolidated Appeals Process:CAP)や緊急アピール(Flash Appeal)といった形態で文書として国連加盟国等に提示され、ドナーはこの文書に基づいて拠出を行います。(アピール文書はこちら>>)。CAPは人道ニーズが続く限り通常毎年取りまとめられますが、緊急アピールは主に地震や洪水等突発的な自然災害の直後や紛争等が急激に悪化した場合等に発出されます。OCHAはこうした人道アピールプロセス自体も管理しています。
 
そして、CERF、CHF、ERFを含め全ての資金手当てに関する情報が、これもOCHAが管理する資金追跡サービス(Financial Tracking Service:FTS)というデータベースに記録されます。これにより、ある国の人道状況下においてどれだけの資金需要があり、また実際の支援とのギャップがどの程度あるのかが明らかになります。またドナーによる拠出状況が逐次アップデートされるとともに、実施機関や分野毎にどのようにこうした資金が活用されているのかといった点でも透明性を確保することに貢献しています。