シリアの人道危機について知ってほしい8つのこと

Syria: 8 things you need to know about the Syrian humanitarian crisis

(写真提供:WFP/Abeer Etefa)

シリア危機に対応するための人道支援活動の資金として、国連とそのパートナー機関今年1月から6月の上半期で既に総額15億ドルの人道アピールを出していました。しかし状況が劇的に悪化したため、今回約44億ドルに増額した改訂アピールを発表しました。これは、シリアの国内で避難を続ける人々や隣国等に逃れた人々の支援ニーズが日々膨れ上がっているためです。

こうしてシリア人道アピールは史上最大規模となりました。なぜこれほどまでの資金が必要になっているのか、皆様にお伝えしたい8つのポイントを以下にまとめました。

1. シリア国内では680万人が緊急支援と保護を必要としています。シリア内戦で矢面に立たされているのは一般市民です。戦闘で命を奪われ、負傷した人々は、人道支援を必要とし、受け取る権利があるにもかかわらず、支援から遠ざけられてきました。国内避難民425万人を含む支援対象者の数は、2013年当初の2倍にまで膨れ上がっています。シリアの人々を助けるために、現在、国連は14.1億ドルの資金拠出を要請していますが、これまでに寄せられた金額はわずか4億ドルに過ぎません。

2. 内戦が始まって以来、160万人がシリアから近隣諸国(ヨルダン、レバノン、イラク、エジプト、トルコ)や北アフリカに避難しました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、今年末までに難民の数が350万人に増える怖れがあると見ています。シリア内戦は既に地域の不安定化要因になっており、状況は悪くなる一方です。既に隣国に逃れた難民や(紛争前からシリアに逃れていた10万人のパレスチナ難民を含む)、今後新たに難民になると予想される人々、そして難民を受け入れているコミュニティに住む180万人を支援するために、現在29億ドルが必要とされています。

3. シリアではあらゆる年代の子どもたちが危険に晒されており、トラウマを抱えながら暮らしています。シリア国内あるいは難民として国外にいる400万人近い子どもたちが、人道支援を必要としています。国連児童基金(UNICEF)とそのパートナー機関は、​​紛争の子どもへの影響を最小限に食い止めるために、保健医療・栄養・予防接種・教育支援・子供の保護などの各分野で支援を提供しています。

4. 内戦がシリア経済を崩壊させ、店舗の閉鎖や食糧不足を引き起こしています。世界食糧計画(WFP)とそのパートナー機関は2013年末までに、400万人のシリアの人々と、シリアにいる42万人のパレスチナ難民を対象に、食糧の配給を拡大することを目指しています。既にWFPは、内戦によって取り残された地域に住む数十万人を含め、シリア各地で250万人に食糧を配給しています。

5. 基本的な保健医療サービスへのアクセスが著しく限定されています。シリア国内の3分の1以上の病院が閉鎖され、医療従事者も3分の2以上が避難を余儀なくされました。国連とそのパートナー機関は、今年の年末までに医療サービス・ワクチン接種・医薬品を680万人に届けることを目指しています。世界保健機関(WHO)は先日、夏が近づくにつれ肝炎やコレラ、腸チフスなどの蔓延が避けられないと警告したところです。

6. 国連や人道パートナー機関は今年の初めから、930万人に清潔な飲料水を提供してきました。今年の年末までに、1,000万人への対象拡大を目指しています。

7. 国連はシリア内戦に関わる全ての当事者に対して、国際人道·人権法に則ってそれぞれの義務を果たすよう繰り返し求めてきました。一般市民は保護される権利があり、同様に病院や診療所などの医療インフラも守られなければなりません。また人道支援機関には、支援を必要とする全ての人々へのアクセスを認めて然るべきです。支援活動従事者が戦闘の攻撃の対象とされることは、断じて許されません。日々自分たちの命を危険にさらしながら、同胞を助けるため支援を続けている、シリアの人々もそんな支援活動従事者です。

8. 今年4月、国連の人道問題トップ、ヴァレリー・エイモスが、国連安全保障理事会に対してシリア内戦の政治的解決を求めました。「安全保障理事会に対する私の要請はシリアの市民を代表して行いましたが、同時にそんなシリアの市民を支援しようとするすべての人々を代表したものでもありました。」とエイモス氏は述べています。

「私たちは、皆さんがこの残忍な紛争を終わらせるために必要な行動を取って下さることを切に願っています。」

今回改訂された人道アピールの総額は大きな金額に見えるかもしれません。しかし、万一これが満たされない場合、恐ろしいほどの命の代償を払わされることになるでしょう。政治的な解決こそが、人間が引き起こしたこの危機がもたらす悲惨な苦しみに終止符を打つ唯一の方法なのです。このペースで状況が悪化の一途をたどった場合、人道支援活動にかかるコストはこれよりもさらに高くなることでしょう。

OCHAウェブストーリー(原文・英語)>>
シリア危機についてのページ
(OCHA本部・英語)>>
シリアの人道支援活動計画改訂版(英語・原文)>>
シリア人道危機:国連機関のリーダー達からひとつのメッセージ(日本語字幕付ビデオ)>>