国連中央緊急対応基金(CERF): 知ってほしい3つのこと

12月13日、国連中央緊急対応基金(CERF)に関するハイレベル会合が開かれ、ドナー国から総額4億400万米ドルの拠出が表明されました(対前年比5.5%増)。2013年も、シリア危機、フィリピン大地震・台風災害、そして中央アフリカ共和国における著しい政情不安など、多くの人道支援にCERFが貢献しました。またレバノンで暮らすシリア難民の生活を支えるため、食糧や衣服の手当て、そして子供たちの教育などにCERFが活かされています。難民家族の声をお届けするこちらの日本語字幕付きビデオも合わせてぜひご覧下さい。
 
私たちOCHAはCERFの運営を事務局として支えています。
 
 

国連中央緊急対応基金(CERF):知ってほしい3つのこと

 
世界中でおこっている人道危機の規模や被害について、私たちは毎日のように見聞きしています。例えば、悪化の一途をたどるシリア危機に巻き込まれた数百万人もの市民。中央アフリカ共和国で暴力行為から逃げまどう多くの家族。そしてフィリピンの台風30号被害で家を失った400万人を超える人々...
 
こうした危機に人道支援機関が迅速かつ効果的に対応するためには、ドナーを含む国際社会の支援が欠かせません。そして最も資金規模が大きく確実な人道支援基金の1つが、国連中央緊急対応基金(CERF)なのです。
 
2013年には、総額4億7,300万米ドルを超える資金がCERFより供出されました。そして、世界45カ国で発生した自然災害やその他の危機による被災者のいのちを守るため、人道支援を迅速に提供すべく活用されました。
 
国連の人道問題トップ、ヴァレリー・エイモスは「CERFはすべての国々による、すべての国々のための基金です。この基金は、支援を必要とする人々が、迅速に、また効果的かつ効率的に援助を受けられるよう担保するためのものなのです。」と述べています。
 
CERFについて知って頂きたいことを、以下の3点にまとめました。
 

1. すべての国々による、すべての国々のための基金

2006年に運用が開始されて以来、CERFは総額32億米ドルを超える資金を88カ国に提供し、被災者のいのちを守る支援活動を支えてきました。政府や地域機構・地方自治体、民間企業や財団がこの基金に拠出し、国連機関と国際移住機関(IOM)に割り当てられます。
 
2013年には、62カ国がCERFに拠出していますが、その中にはアフガニスタンやコロンビア、ミャンマーなど、CERFから資金提供を受ける側になった13カ国も名を連ねています。資金の大部分はスーダン、シリア、そしてフィリピンにおける重要な支援活動に充当されました。9月には、エイモス人道問題担当国連事務次長が、シリア危機に対する人道支援活動を支えるため5,000万米ドルの供出を発表しています。単独の人道危機に対する供与としては過去最大規模です。
 
「CERFは大小を問わず世界中のドナーから拠出された基金です。ですからCERFから資金を提供することは、世界がシリアの人々と共にあることを示すことにもなります。」とエイモス氏は述べています。
 

2. 迅速、効果的かつ効率的な支援のために

CERFは危機が起こった際、即座に対応できるように設けられたものです。今年だけでも、全供出額の半分を超える2億9,900万米ドルが、緊急対応プロジェクトに提供されてきました。例えば、パキスタン北東部の武力衝突で避難を余儀なくされた住民に緊急避難所を提供したり、ボリビアで旱魃の影響を受けた世帯に直ちに支援を提供するため、CERFが利用されました。
 
また11月、台風30号がフィリピンを直撃しましたが、その2日後には、各支援機関が広範囲に及ぶ被災地域のニーズに対し迅速に応えられるよう、CERFが2,500万米ドル以上を供出しました。
 
「フィリピンの被害規模がどれだけ深刻か、皆さんも映像でご覧になったことでしょう。だから、私たちは支援を大規模に動員しなければならないのです。」OCHA業務局長のジョン・ギングはこう説明しています。
 
今日でも、台風30号被害に対する支援で最も多くの資金を提供しているドナーの1つがCERFなのです。
 

3. 『忘れられた危機』にも対応

CERFが供出する資金の3分の1は、緊急支援が必要なのに国際的に注目されない人道危機に割り当てられることになっています。2013年には、ジブチや北朝鮮、ハイチなど、世界各地で資金不足に陥っている人道支援活動を後押しするため、1億7,500万米ドルが供出されました。
 
9月、加盟国に対するブリーフィングの中で、エイモス氏はこのように述べています。「これまでのところ、2013年は『忘れられた危機』に対して資金を割当るという意味では特別な年でした。今年も、世界中で支援を必要とする人々の数は増加しており、そのニーズに応えようと懸命の人道支援活動が展開されています。」
 
資金不足に陥っている緊急事態の中でも、今年最も大規模な資金供与が行われた国の1つがソマリアです。栄養状態の改善や、ポリオ蔓延の予防といった取り組みに利用されました。その結果、5歳以下の幼児およそ200万人がポリオの予防接種を受けることが出来ました。
 
シリア人道危機とCERF - ビデオ(日本語字幕付)>>